2012年6月3日日曜日

「BABEL」フェアの書店POPと印刷技術革命




フェアに参加して下さる書店さんへのPOP作成しています。一店一店、お店の名前を書いていると、それは全国にわたっていて、日本地図で地名を探しては感心しています。一向にはかどらないのですが…。

自分の国をほとんど知らないんだなぁと、しかし私が行ったことのない地にも私の本は散らばっているのかと思うと、ちょっと凄いような気分になります。
いやはや、印刷技術は大した革命だったものだと、いまさら恐れ入っているのです。

2012年5月31日木曜日

週刊文春の『漫画の時間』


今週の週刊文春で、いしかわじゅんさんが『漫画の時間』の漫画評コーナーに『BABEL』と『白い本の物語』を取り上げて下さいました。

作品に感想や何か反応をもらうのはとても嬉しいものです。しかも、いしかわさんは前作の『白い本の物語』をいち早く読んで下さった上、今回の『BABEL』をその流れとして、こうして取り上げて文章を寄せてくださり、とてもありがたく、まんがを描いてよかったなあと心から思うのです。


2012年5月17日木曜日

JWAVEで【BABEL】が紹介されました。「新機軸!」

JWAVEの本を紹介するコーナー「Page by Page」で【BABEL】が紹介されました。
BACHを主催されているブックディレクターの幅允孝さんのチョイスです。
テーマは「新機軸!」!

http://www.j-wave.co.jp/original/rendezvous/page/002.htm


幅さんは様々なシーンで魅力的な本棚や本のある空間を提案されていて、
原宿に漫画やアニメをコンセプトにした本屋さんを新しくオープンされました。
とても楽しい出会いのあるお店です。


【表参道「東急プラザ」に漫画・アニメの編集型ショップがオープン】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120511-00000359-oric-ent

【Tokyo's Tokyo】
http://omohara.tokyu-plaza.com/lifestyle/803/

2012年5月9日水曜日

原稿も思索も。。。



原稿をしていると、なかなか資料を読んだりぶらぶらしたり、あれこれ思考実験をする余裕がなくなってしまう。原稿の作画は頭も使うけど、やっぱり身体的な作業だから。しかもけっこうエネルギーを使うのだな、これが。
かといって思索ばかりしていると、こんどは頭がパンパンになってしまうので、こうして体を動かして(主に上肢なのだけど。)作業に没頭している期間は、ちょうどリセットの働きがあるのかもしれない。

原稿をしていればいい加減ぼんやりと考えたくなり、ああでもないこうでもないと思考実験を繰り返しているればペンでがりがり線を引きたくなる。その時やってる事が楽しくて集中しているにも関わらず。

いつだって「その次」への渇望に急かされているみたいだ。

2012年5月1日火曜日

羊皮紙に描いてます。



羊皮紙に絵を描いています。羊皮紙というのは動物の革を加工してつくられた筆写の支持体で、紙のなかった中世のヨーロッパではこれに文字を書いていました。

この事からも分かるように、インクのノリもすごぶる良好、まんがを描くのと同じペンでかりかり描いていきます。
とはいえ元は動物の皮なので、紙と違って真っ平らではなく、端の方にいくにしたがって曲面になっているのです。私の羊皮紙に描いた絵を誌面用に整えてくれるデザイナーさんや印刷屋さんにはめんどくさい話かもしれないな、などとちょっと申し訳なく思ったりもします。おもしろいから許してくれるかな。。。

2012年4月26日木曜日

「BABEL」第1集、本日発売。



長らく準備を続けていた「BABEL」をようやくお届けできるところまで来ました。
第1集は、まだまだ「はじまり」ではありますが、これから彼らがなにを見て何処へ向かっていくのか、「BABEL」を通しておつきあいください。
5月売りの月刊IKKIから、続きが連載になりますので、「BABEL」第1集と共によろしくお願いします。

「BABEL」の見本がきました。



とても素敵な本に仕立ててもらえました。
ブックデザインはセキネセンイチさん。帯と巻末にはアニメ監督の神山健治さんが作品に寄せて言葉を下さいました。明日発売。どきどきします。

2012年4月11日水曜日

書店のPOPと本屋さんの棚。




書店の売り場には漫画に限らずいろいろなPOPがあって面白い。昨今ではもはやPOPと読んでいいのか?という程の立体物もあるから驚くこともある。

書店のPOP文化は日本独自のものなのだろうか、フランスの本屋では見かけない。
書店や本まわりの事には、日本とフランスでは違う点が多いけれど、棚づくりやディスプレイはどちらの書店員さんも工夫を凝らしていて、特に目当ての本がなくても本屋をぶらつくのは楽しいもの。
やはり本屋の棚は書店員さんのアレンジ力の見せどころなのだろう。


使ってもらえるといいなと思いながらPOPイラストを描きました。

2012年4月1日日曜日

単行本作業と原稿とネームと <2>



漫画をつくって発表するまでには、構想ネーム段階、原稿制作段階、そして単行本作業など、いくつかの行程があって、1本の漫画作品をつくるという縦糸で貫かれているけれど、作業としてはそれぞれ違う感じがします。締まりのよくない頭のせいか、私は原稿している時にもあれこれ広がってしまうので、仕切りは曖昧なのかもしれません。。。

そんな漫画づくりですが、担当氏の間の手が入るとはいえ、構想ネームと原稿は基本的にひとり作業なのに対して、単行本作業となると色んな人が関わってきます。担当氏を筆頭に、編集部のスタッフに、何やらムズカシイ事担当の会社の中の人達、エラいひと、デザイナーさん、印刷の面倒をみてくれる方々。。。さらに、出来た本を書店で皆さんにお届けするまでにも多くの方々の存在があると思うと、ちょっとビックリするような嬉しいような、そら恐ろしいような気がしてくるほどです。
発端はまちの片隅でぽや〜〜っと(傍目には。)しつつひねり出してきたものが、ごろごろころがって巨大な塊になってしまったような。

私が直接お会いするのは限られた人達ですが、分野の違うひとが寄り集まって、ああでもないこうでもないと言っては一冊の漫画本をつくっていくのはおかしくて楽しくて、とても好いもの。

読んでくれたひとにも、この感じが伝わると嬉しいなと思うのです。

2012年3月30日金曜日

単行本作業と原稿とネームと <1>



自分の単行本作業を終えてからは、次の原稿を進めていたのだけど、それも一区切りついたので、ネームや構想、資料読みなどをしに外へ出ました。
構想と書くとえらく大層に聞こえるかも知れない。早い話が気体とも液体ともエーテル体ともつかない「なにものか」をゲル状態にもっていくのが当面の目標です。つまり脳内は想像と多少の妄想(もしやこれがほとんどかも?)と、とぎどき思考の混合状態でうんうん唸っているわけ。

まちのカフェで、ラップトップに向かってキリッとおシゴト中のビジネスの人に混じって、ひとり開いたノートを前に、ぼさーーーーっと放心してる妙なのがいたら、この手の輩かもしれません。

2012年3月23日金曜日

「BABEL」第1集、4月27日にIKKICOMIXより発売されます。



新作「BABEL」第1集がIKKICOMIX(小学館)より来る4月27日に発売されます。
前作「白い本の物語」にひき続き「本」をモチーフにした漫画ですが、ちょっと趣向を変えてみました。
3月24日売りのIKKI本誌に担当E氏によるかっこいい告知ページが入りますので、どうぞご覧下さい。

2012年3月18日日曜日

「白い本の物語」から「BABEL」へ



長年、漫画にかぎらず、色んな本を手がけてらして、それこそ日々、活字やら紙やら印刷物にまみれていらっしゃる(他のものにもまみれていらっしゃいますが。。。)担当編集E氏。
お会いした時の「『白い本(の物語)』ってカンジの方ですねっ!」という最初のお言葉の衝撃は忘れられない。目下、「BABEL」の現場を間近にごらんになって、いったいどんなヤツだと見てらっしゃるのやら。。。その初印象はどう変化しているのだろうか。

前作の「白い本の物語」からつながる様にして始まりながら、すぐにがらりと違う方向へもっていっている。描き方は変わっている様に見えるけれど、実は、この「BABEL」も「白い本」も大元のところは繋がった、おなじことを描こうとしているのだろう。
ひとあし早く「BABEL」を読んで頂いたアニメ監督の神山健治さんの静かな、それでいて鋭い言葉に射すくめられた時の事も、ふかく私の印象に残るだろう。

2012年3月13日火曜日

引き続き担当Eです。

改めて、ご挨拶を。4月27日頃に描き下ろし第1集が刊行される、重松成美氏の作品『BABEL』の担当のEです。著者の重松氏が、かつて、フランスで「造本」について学んだ経験があるとのことで(もちろん、彼女のデビュー作『白い本の物語』にも、その造詣の深さは色濃く出てますが、今回の作品でもその部分は如何なく発揮されて…されるはずです…!!)、僕自身、ある意味本に携わる者として、大いなる興味を持って、本ブログを読ませてもらおうと思ってます!!僕自身は、本といってもハードカバーかソフトカバーか、くらいしか分からないわけですが…今は。はい。

初めまして、担当Eです。

担当Eです。 電子的にも、アナログ面でも分からないこと ばかりですが、本ブログ内を時々ヨチヨチ 歩かせて頂きます( ̄◇ ̄;)

2012年3月11日日曜日

本との距離



 自分用の辞書というものをはじめて手にしたのは、小学校に上がった時だった。

 書店で、これから店頭に並べられるのだろう、小学生向けの国語辞典と漢和辞典が、青い台車にブロックさながら小積まれているのを見かけたわたしに、国語辞典のずっしりとした厚みと重み、そしてそのとき感じた、新しいものへの興奮が鮮やかによみがえってきた。紙のケースに収められた辞典は、子供用とはいえ数冊でもけっこうな嵩になっている。どんな子どもの手で開かれるのかな。ぐうぜん目に留まった小学国語辞典を眺めながら、遠い記憶のなかの本棚を探るようにして、子どもの日の最初の辞典との出会いを引き出してくる。

 わたしに与えられた辞書は2色刷りで、大きめの活字がすこし厚めのページに整然と並んでいた。まだまだ世界は知らない言葉で満ち満ちていた。これで「大人の本」も読める。強力な助っ人を得たつもりだったのか、そんなことを無邪気に思って得意になっていたのがなつかしい。くりかえし繰り返し使っていきながら、すこしづつ、その感触や意味を自分に染み込ませていく言葉の魅力を、わたしはまだよく分かっていなかった。

 ひとり机について居ずまいを正したわたしは、まだ開かれたことのない自分の国語辞典をばらばらとやってみた。ぴんと張りのある紙からはインクの匂いが立って、わたしは飽きずに繰り返しページをめくっていた。開いてみては閉じ、また開き。と、何かの拍子に一瞬、指先に鋭い熱が走り、あっと辞書を手放した。紙で指を切ったのだ。見ると人差し指に細く赤い線が走っている。そこからじわりと血がにじんだ。鋭い痛みはもちろんだったが、紙というたよりなくて弱いと思っていたものが肉を切ったという衝撃で、言葉が出なかった。それまで手の内で大人しくされるがままになっていたのが、ついにしびれを切らして噛み付いてきたようだった。

 それから幾冊と国語辞典も渡り歩き、使う辞書の種類も増え、それらの辞書を時には引きながら、様々な本を体験してきたけれど、あの日の、はじめて辞書を所有して有頂天になって、どんな本でも読みこなせると錯覚したところに、冷や水を浴びせかけられた思い出は印象深い。そのとき子どもながらに思った。本との付き合いには油断がならない、ゆめゆめ忘るまじ、と。
 ぼとり、と乱暴に投げ出された辞書のたてた鈍い音が、こだまのように今でもわたしのなかに響いている。

2012年3月5日月曜日

ページをくるにつれて



「fil」は「糸」というフランスのことば。
細くのびた長い糸は、ふたつのものをしっかり、また時にはゆるやかに結びつける。
何かと何かの間をつなぐもの。
あるものとあるものが出会うと、そこに生まれた関係から密やかな物語が立ち上がってくるようだ。
日本語の「糸」も、フランス語の「fil」も、「流れ」や「筋」という意味を含んでいるのもうなずける。

白いページには折々に興味をひかれたあれこれを書きつけたり、イメージを貼り付けたりしよう。
時にはこれまでにわたしが出会ってきたひと達やものごと、訪れた場所の記憶をスケッチしてみよう。
ページからページを旅するように。

雑多な記録たちはページをくるごとに一本の糸で結びつけられ連なりあって、ひとつの軌跡を描くだろう。
そうしていつしか何ごとかを語りはじめるのかもしれない。

それは、駅から駅へとを繋いでいく鉄道の旅のような、あるいは綴じ合わされた一冊の本のような姿をしているのだろうか。